先生からのメッセージ
- 兵庫医科大学 医学部 糖尿病内分泌・免疫内科学講座 助教

病勢を早期にしっかり抑え込むことが重要
関節リウマチの治療では、病勢を早期に可能な限りしっかり抑え込むことが重要です。少し良くなったからといって薬をやめたり、家事や仕事を頑張り過ぎてしまうと、かえって治療を強化しなくてはならなくなる可能性もあります。まずは患者さんご自身の体調を優先し、ご家族のサポートや介護保険などの社会サービスも上手に得ながら治療に専念するよう心がけてください。
サポート役に回るご家族も大変かとは思いますが、治療が上手くいけば、患者さんは元の日常生活に戻れるようになります。是非ご協力いただければと思います。

薬が飲めなかったらすみやかに主治医に伝える
薬は処方通りに飲んでいただきたいのですが、どうしても飲めない、副作用が我慢できないといった事情があれば、すみやかに主治医にご相談ください。主治医との関係がうまくいかなくなるのではと心配する必要はありません。今は主治医が「この薬が一番いいから使いましょう」と一方的に決めるのではなく、患者さんと相談しながら治療を行う時代です。服用していないことを黙っていると真に必要な用量がわからなくなり、かえって治療の妨げとなります。飲める薬はお飲みいただき、飲めない薬は無理せず代替案を主治医と一緒に考えて、患者さんご自身が納得して治療を行うようにしてください。一度説明を受けたけれどよくわからなかったことや聞きたいことなどは放置せず、どんどん質問してください。箇条書きでメモにまとめておいて診察時に主治医に確認したり、ご家族に付き添いを頼み一緒に聞いていただくのも良いでしょう。
病診連携の強化で患者さんやご家族の負担を軽減
大学病院に勤務する傍ら、地域の基幹病院でも週に1回外来を担当しています。関節リウマチは長く付き合う疾患ですから、私たちが紹介を受けて診療し、病状がある程度落ち着いた患者さんは、ご自宅近隣のクリニックなどで治療していただけるよう病診連携の強化に努めています。病診連携により患者さんの通院負担に加え診療時間や待ち時間、ご家族の付き添いなどにかかる負担なども軽減され、最適な治療をより継続しやすくなると考えています。


古川 哲也 先生
2010年兵庫医科大学医学部卒業後、兵庫医科大学病院にて研修。2012年兵庫医科大学 内科学リウマチ・膠原病科レジデントを経て、宝塚市立病院リウマチ科レジデント。2013年兵庫医科大学内科学リウマチ・膠原病科病院助手。2018年同大学大学院卒業(博士号取得)。2019年より現職。
兵庫医科大学病院
病床数:963床
所在地:兵庫県西宮市武庫川町1番1号